木製品に対しての塗料について簡単にご説明します。塗料は「石油化学系塗料」と「植物系塗料」に大きく分けられ、植物系塗料を一般的に自然塗料と言い、「オイル系」と「ワックス系」、そして「漆」などに分類されます。
1.オイル系
オイル系には、空気中で完全に固まる乾性油の「亜麻仁油(あまにあぶら)」「胡桃油(くるみあぶら)」「荏油(えのゆ)」「紅花油(べにばらゆ)」「向日葵油(ひまわりゆ)」などがあります。ドイツ製のものが多く、「オスモ社」は向日葵油を主成分に、「クライデツァイト社」や「リボス社」は亜麻仁油を主成分に作られています。ちなみに、オリーブ油や椿油(つばきあぶら)、菜種油(なたねあぶら)は空気中で全く固まらない不乾性油であるため、塗料としては不向きです。
2.ワックス系
ワックス系には、蜜蝋(みつろう)やカルナバ蝋などを主成分とするものがあります。「蜜蝋ワックス」は蜜蝋と荏油を主成分に作られています。
3.漆
漆には、日本産漆と中国産漆があります。塗料の役目には「防腐」「防汚」「防水」「殺菌」「耐薬品」「耐火」などがありますが、自然塗料の中では日本産の漆が1番優れていると思います。しかし、漆自体が高価であると共に漆を塗る手間やムロ等の施設がいるため、どうしても費用がかかってしまいます。
以前、はせ工房では漆も使っていましたが、今はオイル系を主に使っています。はせ工房では今年(2011年)、敷地内にある胡桃の木から胡桃油を搾油する予定をしています。 |