木曽ヒノキとは、木曽地域(長野県の木曽川沿い)から裏木曽地域(飛騨南部、東濃地域)にかけて分布する天然桧(ヒノキ)の事を指します。この地域の林はほぼ桧(ヒノキ)一色で、さらに樹齢もほとんど揃っているという極めて特異な姿の天然桧(ヒノキ)の林となっています。
その理由は江戸時代にさかのぼります。築城や武家屋敷の建築、造船などの資材確保のため、木曽地域の森林伐採が急速に進み森林資源が急速に失われた事から、尾張藩は1665年に立入禁止林や伐採禁止林を設けて藩以外の伐採を厳しく制限しました。そしてさらに1708年には木曽谷全域にわたり伐採が禁止され、桧(ヒノキ)の山に足を踏み入れる事さえ禁じられ、万が一無断で伐採しようものなら「桧一本首ひとつ」と、この上ない厳しい罰則も設けられました。
尾張藩が管理していた事もあり、木曽ヒノキを「官材」ともいいます。木曽谷の厳しい環境でじっくり育った樹齢300年ほどの木曽ヒノキは、直径60cmぐらいとすると年輪の細かさは半径300mm÷300=1mmという事になります。 |