ミズメはカバノキ科の樹木で、サクラの樹皮に似ているので「ミズメザクラ」とも言われます。本州(岩手県以西)から九州にかけて広く分布しています。(右の写真の下半分は水で濡らした色あいです。)
ミズメは比重が0.72と堅くて重く、現在は家具材や漆器の木地、彫刻材等に使われます。肌は緻密で、樹皮を傷つけると水のような樹液がでる事からミズメの名がついたようです。この樹液はサロメチールのような香りがあります。
又、「アズサ」という別名もあります。ねばりがあるので、昔は弓の材料にもされ、ミズメで作られた弓は「梓弓」と呼ばれていたようです。
ミズメについて、いろいろと調べていくうちにひとつ分かった事がありました。「あずさ2号」という歌があります。(ちなみに僕の持ち歌のひとつです。)この「あずさ2号」は新宿から信州に行く特急です。「ミズメ(アズサ)」は信州に多く分布していて、松本民芸家具でもよく使われています。それで、川の名前や列車の名前にも使われたのですが、「梓川」や「あずさ2号」のあずさは、樹木のミズメの事だったのです。 |